2015年2月10日火曜日

Day 198: ファン、どうもありがとう

夫とディンと3人で、ファンの立会火葬をした。火葬場は山の中、お天気も良く、周りでは鳥が鳴いてのどか。ファンが炉に入れられようとした時、夫が「今、ファンの声がした」と驚いた声をあげた。火葬場の人が「今のはウチの猫です」と指差した先には、茶白のコロコロした猫がちょこんと座っていた。重苦しい空気が少し和んだ。

ファンは一時間かけて焼かれました

写真右上に茶白くん
ここには二匹の兄弟猫が住んでいます

ファンは煙になって空へ

お骨になったファン
お花は動物病院から

ファンには大事な事を教わりました。生きる物すべて、持てる時間には限りがあります。だから、大切な人との「今」を大切にしよう。明日がなくなっても後悔しないように。

ファン、よく頑張ったね、お疲れ様
ファンに出会えたお母さんは本当に幸せ者です
どうもありがとう




2015年2月9日月曜日

Day 197: ファン、お別れ

午前11時、ファンはまた苦しみだした。舌を出して浅く荒い呼吸が始まり、時折つらそうに叫ぶ。口の中は文字通り「紙のように」白く、身体は冷たく弾力がない。慌てて家から一番近い病院へ連れて行き、吐き気止めと造血ホルモンを注射してもらった。体温はたったの33度。

帰宅すると楽になったのか少し眠っていたが、午後1時過ぎ、つらそうに鳴き声をあげながらベッドから降り、暗い所に身を隠そうとする。身体が冷えてしまうので、毛布にくるんでソファに横たえるが、また暗がりに隠れようとする。ファンの行きたい所へ行かせ、隣に腰かけてファンに声をかけるが、ファンはもう応えない。呼吸が荒く乱れるようになり、いつもと違う鳴き方をして身体の麻痺が始まった。膝の上に抱えるともうファンの意識はなかった。口を大きく開けて深く息を吸うが、その呼吸はファンの意思とは関係のない所で、身体が酸素を欲しがっているようだった。

私は以前13歳の犬をジステンパーで失くしたことがある。お別れの直前、私が抱きしめて号泣すると、既に神経麻痺が始まって朦朧としていたその子が、「泣かないで」というように重い頭を起こして顔を舐めようとした。自分もつらいだろうに、慰めてくれようとしていた。だから、今回はファンに静かに逝ってもらえるよう、私も静かに見送ろうと決めていた。「もう頑張らなくていいよ。怖くなんかないよ。お母さんがそばにいるから安心して行きなさい」と耳元で言うと、呼吸の間隔がどんどん長くなり、5回目で止まり、最後に背中をぐっとそらして足の力が抜けた。

小さい頃、学校で担任のシスターが涙を流すのを見て、神父様に「大人が泣いていいの?」と尋ねたことがある。神父様は「大切な人を想って流す涙は、天国のドアを開けるんだよ」と言った。だから、私も今日はファンのために泣きたいだけ泣こうと思う。

明日、ファンはお骨になる。ファンファン、享年推定3歳、2.4キロ。

2015年2月8日日曜日

Day 196: ファン、危篤

夕方、ファンの容体が急変した。突然、嘔吐が始まり、泡立つ吐しゃ物の中に顔をつけて、這いつくばったまま動かなくなった。移動しようと抱くと、声を張り上げて苦しそうに鳴き続ける。背中の皮をつまむと、脱水症状を起こしているのが分かった。ファンの体は驚くほど冷たかった。
初めて「ファンが逝ってしまうかもしれない」と思った。これまでも何度か嘔吐や血便があったが、そんな風に現実的に感じたのはこれが初めて。「大丈夫だよ」とファンに話しかけながら、自分にも同じように言い聞かせた。
急いで皮下点滴の準備をし、180cc注入した。点滴の間、ファンは目を開けたまま瞬きもせず、目の前で指を振っても全く反応しない。小刻みで荒い息をしながら、私の腕の中で失禁した。
点滴後、一時間ほどファンを抱きしめて温めると、徐々に呼吸が穏やかになり、目に力が戻ってきた。瞬きも始まり、眠そうに瞼を閉じて寝息を立て始めた。

病院での仕事中、ファンと同じ腎不全末期の猫が危篤状態で運ばれてくるのを何度も見た。多くの場合、尽くせる手はそう残っていない。栄養剤や利尿剤を添加した点滴くらいだ。私は以前から、ファンが危篤になったら自宅で看ようと決めていた。たとえ2‐3日長く生きられたとしても、最期は病院のケージのステンレスの床の上より、私の腕の中で、私の声を聞かせながらお別れしたい。

今回は持ち直したファン。残りの時間を大事にしよう。あらためてそう思った。できるだけ一緒にいようね。お母さんはいつもファンのそばにいるよ。

2015年2月7日土曜日

Day 195: 預かり猫「ミミちゃん」

体調:  好調
食事:  旺盛(懐石zeppinnとドクターズプロのキドニーケアのカリカリブレンド、ロイカナの腎サポパウチ)
体重:  2.5kg

超強力ステロイド、効果絶大!ファンは快活に歩き回り、ベランダで日光浴をし、快食快便。こんなファンを見るのは母として嬉しい限り。

私の横には常にニーニがいて、別の誰かが私に近づかないよう目を光らせているが、少しでもニーニが離れるとファンは私にスリスリして甘えてくる。私もスリスリ返しをして甘えるファンに応えていると、そういう時、必ずニーニがドアの隙間から恨めしそうな視線を送ってくる。暗い…。でも、ファンはそんなニーニが嫌いではない。わざわざニーニが寝ている所に行き、そ~っと隣で横になりくっついて寝ようとする。大抵はニーニに気づかれてシャーッとされ慌てて退散するのだが、懲りずにチャレンジ。ファンはきっとみんなともっと仲良くしたいのだ。私も仲良くして欲しい。
おずおずと手をニーニに伸ばすファン

今日から我が家に猫の会の預かり猫さんがやってきた。短期のお泊り。ファンを預かり始めてからほとんど他の子の預かりをしておらず、久々の子猫。4か月弱のミミちゃんは、餌やりさんの所で生まれた子で、現在里親さんを募集している。まだ人馴れができておらず、ケージを覗くだけで、目をまん丸くしてシャーッと牙を見せる。「レンジでゆたぽん」を入れてあげたら、早速引っ掻かれた。ふふっ、ちょこざいな、しかし可愛いヤツ。ぜーんぜん怖くないんだってば、おチビちゃん。今日は新しいおウチで疲れただろうから早めにおやすみ。毛布をかけて暗くしてあげたら、早速ご飯を食べお水を飲む音がした。今はクルクルと喉を鳴らして夢を見ている様子。子猫は何してても可愛い。ただただ可愛い。

ニーニは警戒して近づかない。
「だれ、この子?何しにあたちのウチに?」

クンは興味津々。
「あー、またお母さんがちっこい子連れてきたんにゃ」

2015年2月5日木曜日

Day 193: 初・超強力ステロイド

体調:  絶好調(よく歩きよく甘えよく爪をとぐ♪)
食事:  まぁまぁ(炙りマグロ、シーバとモンプチのカリカリブレンド
体重:  2.5kg

ファンは初めてひと月間効果がある超長期型ステロイド注射に挑戦。これで様子を見てみることにし、期待していた効果が現れなかったり、重い副作用で苦しむような事があったらやめようと思う。ファンの腎臓機能の数値は相変わらず最悪で、どのドクターに聞いても「普通に歩けるのが不思議」というくらい末期的だ。貧血もひどく、口の中は真っ白。我が家に来た時のような血便や血尿、夜通しの嘔吐はなくなったものの、いつ「その日」が来てもおかしくない状況だと宣告されている。うーん、家で寛ぐ最近のファンを見ていると、そんな日が近いとはとても思えないのだが…。でも、もし残り少ない命なら、強い薬を打つことになっても、できるだけ苦痛を減らして、快適な毎日を送らせてあげたい。ファンにとってのQOLをいかに保てるか、母、試行錯誤の日々。
寝る子は育つ!

育つ!!

育ちすぎ…

ディンは駐在先の台湾で保護した子だ。本名を中国語で「叮叮」といい、小さなベルが鳴る軽い音を表している。日本語でいうと「リンリン」って感じかな。現在推定7歳半、一緒に暮らし始めて4年だが、今でも中国語をより解する。台湾っ子なので寒さはとっても苦手。それなのに、その後のアメリカ駐在も雨と雪が多い北西部、そして今日は青梅に雪が降った。雪を見るとそれだけでフリーズしてしまうディンにとって受難の季節だ。「犬は喜び庭駆け回る」とはほど遠い。早く春が来るといいね、ディン。
ディン「さ、さぶっ!」


2015年2月3日火曜日

Day 191: ヤク落ち…体調悪化の一途

体調:  低迷
食事:  ほとんど食べず
体重:  2.3kg

ファンは強力ステロイド注射前とほとんど同じ状態に戻った。少しだるそうで、一日寝て過ごすようになった。でも、口を痛がって叫んだり血が出たり、という事がまだないので、ご飯も少しだけなら食べられる様子。今日は炙ったマグロのお刺身を3切れほど食べた。頑張ったね、えらいぞ、ファン。
ファン「あたちは中トロが好き♪」

我が家の動物達には暗黙の了解があるらしく、それぞれの場所が決まっている。ニーニは私の右側、基本は腕枕だが、暑くなると枕の上に出てきて、私の頭をジリジリと押し出す。クンはお腹の上、体重が5.8kgもあるので、かなり重い。たまに呼吸ができない夢を見たりする。ディンは私の左側、寝返りを打つたびグイグイお尻で押してきて、目を覚ますとディンはいつもベッドの大半を占めている。ファンはいまだに遠慮気味だが、少しずつ私の顔周りに近づいてきた。たまーに布団の中に入ってきたりするようになった。ディンのお尻攻撃に耐えきれず、すぐに出て行ってしまうが…。
ベッドが小さすぎる!
または動物が多すぎ!

のらくろは今日も元気にミルクを飲んだ。ちょっと目がショボショボしてきたので、明日から目薬しましょ。それにしても、のらくろってどうしてこんなにブサなの~?一挙一動がザ・オジサンな感じ。こういうもっさりした猫は私のタイプではあるけれど、万人受けはしないよね。里親さんは見つかりそうもない…かなぁ。いやいや、シャンプーしたら大変身するかも。きっとそうよ、そうに違いないわっ! 
のら「わしゃ、洗ってくれとは頼んどらんよ。
イケメンにもなりとうないしのぅ」

2015年1月30日金曜日

Day 187: ファン好調&のらくろも好調&防寒ハウス

体調:  好調(やや低下のサインあり?)
食事:  好調(ロイカナの腎サポのパウチ、キドニーケア&シーバのカリカリブレンド)
体重:  2.5kg

ファンは今日もなかなか元気に歩き回り、あちこち上り下りして遊んでいる。ただ、強力ステロイド注射から丁度一週間たち、食事の量が減ってきた。でも、何とかあと一週間は持ちこたえて欲しい。やはりできることなら副作用の強い薬は頻繁には使いたくない。

下の写真は昨日の出来事。のんびり水を飲んでたファン、突き刺さる視線に振り返ると、そこには厳しい視線を送るニーニが。
ファン「はっ!殺気!」

今日ののらくろは元気一杯。缶詰を完食し、ミルクも150cc、時間をかけてゆっくり飲んだ。病院に連れて行く必要は今の所ないみたい。注意して様子をみてあげなくちゃ。体を撫でると嬉しそうにゴロゴロ喉を鳴らして喜ぶ。野良猫生活が長かったのらくろ、外に出たかったりするかな。明日、ハーネスをつけて一緒にお散歩してみようね♪明日はお天気いいみたいだし!
のらくろ「おばさん、ミルクはもちょっと熱めにしておくれ」
おばさん(私)「す、すんません…」 

昨日の夜からとても寒かった。バイト先の動物病院にも「明日、雪が降るって聞いたら放っておけなくて」と風邪引きの野良猫を連れてきた人が何人かいた。そして天気予報通りに雪が降った今日。近所の駐車場に野良猫の為の防寒ハウスが置かれていた。段ボールを切り貼りし、緩衝材を巻いてテープで留めた、どれだけ苦心したのかが見て取れる愛情ハウスだ。冬の空気は冷たかったけれど、あったかい気持ちで胸が一杯になった。早速ガリ姉が入って暖を取っていた。良かったね、これで今年は風邪ひかないね。